爆心地から約1.3キロメートル
鉄筋コンクリート2階建てのこの病院は、原子爆弾による爆風で、すべての窓ガラスが吹き飛び、近隣の弾薬庫からの類焼などにより、2階内部はほとんど全焼しました。空襲に備えて、被爆1カ月前に、入院患者すべてを退院させていたため、人的被害は比較的軽微でした。火勢が弱まった当日の夕方から、数多くの負傷者が押し寄せ、職員は医薬品や衛生材料、食糧の確保を行う一方、懸命な救護にあたりました。この病院は、市内に残った数少ない医療機関として、医療面、調査面で重要な役割を果たしました。
写真説明:かろうじて残った広島逓信病院。背後は広島逓信局 1945(昭和20)年10月上旬 川本俊雄氏撮影